ふくしま復興支援ブログ

~大分と福島、交流の記録~

21.新地町 加藤町長との対談

新地町 加藤町長との対談


青木理事長との対談の様子


植樹した豊後梅を復興支援の証とし、息の長い支援活動を誓い合いました。

7月23日(火)、ふくしまっ子応援プロジェクトに同行された新地町の加藤町長と青木理事長の対談を行ないました。思いは尽きず長時間に渡りましたが、抜粋して報告します。

新地町福島県相馬郡新地町
福島県浜通りの最北、宮城県との県境
人口7990名(2581世帯)
面積46.35km
学校 町内5つの小・中・高等学校
被災状況(概要)
地震発生から約1時間後、約15メートルの津波により、116名の方が亡くなりました。622世帯の家屋が全壊、半壊しました。仮設住宅は8地区、544戸あり、新地町町民他、近隣からも受け入れを行なっています。


青木理事長
この度は遠い福島県からわざわざお越しいただきまして誠にありがとうございます。震災当時、新地町の役場には自衛隊の車がたくさん入っていて、支援物資を学生のボランティアが仕分けしていていました。その後、何度か新地町を訪れましたが、現在はどのような状況ですか?


新地町 加藤町長


新地町町長 加藤憲郎氏

震災直後からコープおおいたの皆様には支援活動に来られ、現地を見ていただき、さらに支援金をいただきました。改めて御礼申し上げます。また、これからの末永い復興支援の証として小学校に豊後梅を植樹していただき、さらには、新地町の子どもたちを大分へ呼んでいただき、心からお礼申し上げます。
新地町は震災によって大きな被災を受けましたが、震災によって全国から、世界中の方々からたくさんの出逢いをいただきました。そしていろんな支援や応援もいただきました。
あの震災を後世に語り継ぎ、支援をいただいた事に恩返しをしていけなければならないと思っています。
震災発生時から町民の生命を第一優先に陣頭指揮をとり、独自の放射線量の調査や、仮設住宅、今後の集団移転先でも、もとの集落のコミュニティーが維持されるよう努め、被災者のニーズを酌んだ「オーダーメイドの再建」として、日弁連などから高い評価を得ています。
「おかげさまで新地町もここまで復興しました。」という報告を一日でも早くできるようにしたいと町民一体となって取り組んでいます。

青木
放射能の被害もありますが、風評被害に苦しむ方々も多くおられると聞いています。私たちに出来ることはありますか?

加藤町長
福島県は全国で3番目に大きな県です。そのため、被害状況も様々です。福島第一原発に近い市町村では、離ればなれになっている家族もおります。除染がなかなか進まない地域もあります。
新地町放射能に関して、安全な値になってきていますが、子供を持つ親にとってはまだまだ安心できない方もおります。子どもたちは、きれいな海も砂浜もあるが海で泳げないなど、思いっきり自由に遊べない心理的なストレスがあると思っております
もちろん私たちには、安心・安全が何より大切と考えておりますので,公共施設を中心に放射能の低減に努めているところです。
なによりも大切なことは、被災を受けた方々が将来設計をどのように立ていくかがです。生産者の方はとても大変です。水も土も全て検査し、生産物も全て検査して出荷しているのに、目に見えない放射能の影響で、福島県産の農産物は市場では買い叩かれています。広く社会に認知していただき風評被害を払拭したいと願っています。

青木
新地町の資料を拝見させて感じたのですが、他の地域と比較して、復興計画が進んでいるように見えました。

加藤町長
若い世代がこの町を再生するだけでなく、新たな町に創造していくことが大切だと考えています。
大変嬉しく思っていることがあります。復興に町民の皆さんが前向きなことです。特に商工会の青年部の皆さんやNPO団体、サークルなど若い世代がこの震災から再生するだけでなく、審議会や協議会に参加させて欲しいといっていただいています。
震災当時小学校6年生だった児童が現在では、中学校3年生になりました。先日行なわれた少年の主張の発表では、将来の希望を持って全国から支援いただいた方々に恩返したいといった内容の発表を堂々としていただいき大変心強く思いました。
次世代の若い方々が新しい新地町を支え、発展させていだだくと確信しています。

青木
私たちコープおおいたは、復興支援をきっかけに、福島の方々、新地町の方々と顔の見える関係になりました。
現代は、テレビをはじめ、ツイッターフェイスブックなど様々な情報媒体がありますが、直接会ってお話して、共有して、当事者の声をいかにそのまま大分の方々へ伝える努力をすることが私たちの使命であると考えています。
これから先、復興が遂げるまで私たちは、植樹した豊後梅に思いを託し、福島の地にどっしり豊後梅が根付き、毎年たくさんの花が咲き、実がつくまで、息の長い支援活動を続けていきます。

本日はありがとうございました。


ふくしまっ子応援プロジェクトⅢ の歓迎セレモニーでご挨拶とお礼を述べられる加藤町長