ふくしま復興支援ブログ

~大分と福島、交流の記録~

24.福島復興支援交流報告会を開催しました(11/26)

 コープおおいたでは、大分県と10月1日に契約調印を行なった「消費生活安全・安心推進事業にかかる風評被害防止委託契約書」に基づき、取引先コープ会の会員と10月7日から9日までの間、福島県の現状把握と産地生産者との交流を目的とした福島県被災地視察研修を行ないました。11月26日に大分県の関係者も参加し、福島復興支援交流報告会を実施しました。また、福島から4名の講師の方々をお招きし、今の福島の状況や心情を直接お聞きすることもできました。報告会で発表された一部のお話を、ご紹介させていただきます。


コープふくしま 宍戸常務の報告


コープふくしま 渡邊理事の報告


福島中央青果卸売株式会社 長島常務の報告


原田製油有限会社 原田専務の報告

今後も支援・交流を続けましょう! 今回の報告会の中で一番多かった感想が、「想像以上に復興が進んでいないこと」への驚きでした。震災から2年半ほど経過しているので、少しは復興した様子が見られるのでは?という期待を持って参加した方が多かったようです。一方、元気にグランドを走り回る子どもたちや、立派な実をつけていた高橋農園のリンゴの木など、希望が感じられる光景も印象的だったようです。福島に行って現地を自分の目で確かめてほしいというご意見も多くありました。
 あまり報道されなくなった「福島の今」を目の当たりにして、参加者それぞれの思いを語っていただきましたが、すべての方が、今後も継続的な支援・交流を続けていきたいと熱く主張されていました。


今後も仲間と力を合わせて
おいしいリンゴを育てます!

高橋勘重氏( 福 島 県 リンゴ生産者)
「皆さんが農園に来てくださった時、『福島のことをこんなに思ってくれているんだ』という嬉しい気持ちで胸がジーンとしました。そして、『おいしい!』と言ってリンゴを食べてくださったことも嬉しかったです。原発事故が起きて、『福島の果物は終わりか!?』と言われていました。当時は、人と会えばまず最初にセシウムの値のことを話していたものです。リンゴ栽
培を続けるために、マイナス4〜5℃になる極寒の2月に、高圧洗浄機でリンゴの木を1本1本除染しました。除染中の水がつららになるほど寒いなか、「どうしてこんなつらい作業を自分たちがしなければならないのだろうか!」と、怒りを感じたこともありましたが、皆さんの温かいご支援をいただいて、なんとか頑張ってきました。今では福島産の果物からセシウムはほとんど検出されていませんが、風評被害を払拭する厳しさを感じています。しかし、今後も仲間と協力して、皆さんに安心して食べていただけるおいしいリンゴを育てます」。

予約販売した福島県産のリンゴが500ケースを越える注文がありました。



この研修で体験したことを多くの人に伝えていきたい石田崇(コープおおいた)
「今回、放射線を測定する線量計を片手に、福島の各地を訪問しましたが、臭いも色もなく、線量計の数値でしか確認できない放射線の存在に恐怖を感じました。場所によって数値が変化する線量計、除染作業のために片側通行になっている道路、居住制限区域の人気のなさ、検問所や警察車両、傾いたままの住宅、生え放題の雑草、処理されないままのがれきなどを実際に見て、これまで感じたことのない、なんとも言い難い感覚をおぼえました。また、浪江町の「福島民報新聞プレスセンター」の中で、震災翌日の2011年3月12日の新聞が積み上げられたままになっていたり、JR浪江駅では大震災のため運行休止になったことを告げる案内板がそのままになっていたり、まだまだ震災の爪痕が生々しく残っているところも見られました。今回の研
修に参加して、自分にできることはほんのわずかなことですが、福島で見たこと、体験したことを一人でも多くの人に伝え、支援を広げていくことだと思いました。今後も、福島だけでなく東日本への支援を続けていくという決意をあらたにしました」。


交流会終了後 日生協連より依頼の「2013年度東日本大震災支援活動報告ビデオ」のビデオレターの撮影を行ないました。