ふくしま復興支援ブログ

~大分と福島、交流の記録~

ふくしま訪問 1日目



コープふくしまのお店 CO-OP MART

2016年3月11日、北三陸を襲った東日本大震災から5年が経過しました。
5年経過というと、小学1年生は6年生になり、大学1年生は社会人になります。

津波被害と原発事故で家も故郷も消失した街の人たちは今どうしているのだろう。」
「ビルの上に乗り上げた大型船や、
流されて地面に横たわった列車はどうなっただろうか。」
「除染作業や、復興工事の進捗状況も・・・。」

きっと皆さん気にかけていることと思います。
このブログを通じて、ふくしまの近況をご報告します。


2016年3月22日から24日の3日間
毎年恒例の被災地訪問と、ふくしまの皆さんとの交流を行いました。

1日目は新地町


新地町福島県宮城県の境にあります。
新地産のひとめぼれを使った地酒「純米吟醸 鹿狼山」や
同じく新地産の大豆を使用した「しんちゃん納豆・しんちゃん味噌」など、
豊かな北陸の農産品はもちろん、
ライブや屋台村、流しそうめん、花火大会などで楽しむ
復興イベント「やるしかねぇべ祭り」にも注目です!


訪問の最初は新地小学校です。
次の日(23日)が卒業式とのことで
非常にお忙しい中、訪問を受け入れてくださいました。



渡邊校長先生が、ふくしまの震災直後から
現在に至るまでを説明してくださいました。
目を覆いたくなるような痛ましい写真に、胸の詰まる思いでしたが、
「悲しくても、泣かない。しっかり学んで帰ろう。」
そう決めた瞬間でした。

校庭では子どもたちが放課後を大満喫中!
聞くと6年生とのこと。
卒業式を明日にひかえ、小学校生活を名残惜しんでいるようでした。

校庭の隅には、3メートルにまで成長した豊後梅が。
ピンク色の花をつけて風にそよいでいました。



次に新地町役場へ伺いました。
まず佐々木教育長にお会いしました。
小学校が再開した後も何か月もの間、
窓は閉め切られ、校庭で遊ぶことがなかったそうです。
校庭で遊べるようになってしばらく経ち、
遊具が無いことに大人たちは気づいたそうです。
数は少ないが、遊具を設置すると、
ジャングルジムは子どもたちで鈴なりに・・・
このような出来事をふまえ、佐々木教育長は
「子どもたちの求める、『学ぶ・遊ぶ・くらす』環境は
大人目線ではなかなか足りない部分もあり、
整備するまではまだ時間が必要だが、
将来を担う子どもたちの事を最優先で考えていきたい。」
と話してくださいました。

そして副町長さんは、屋上の展望ブースに案内してくださり、
役場の海側の復興工事の様子を説明してくださいました。


海岸線まで続く工場地帯は異様な光景です。
一面黄土色の工事地帯は、今後、緑地公園へと姿を変えるそうです。
町の皆さんの憩いの場になるのですね。

そして寸断されていた交通機関についてもお話がありました。
震災で被災して運休している常磐線相馬(福島県相馬市)〜浜吉田(宮城県亘理町)間で
2016年の12月末に運行が再開できる見通しとのこと。
常磐線全線運転再開が近づいています。


屋上の展示ブースには、
震災前の新地町のジオラマが製作されていました。


懐かしい思い出と、震災時の状況が入り混じった
たいへん貴重な展示物でした。

新地にいらっしゃったら、ぜひ役場の屋上から海岸線を眺めてください。
そしてジオラマに、ところせましと並ぶプレートを読んでください。
震災とは、復興とは、町の皆さんの思いとは、
その全てを訴えかけてきます。


震災によって、ひとつの「町」という単位で
どのような被害と課題が生じるのかを学んだ1日目でした。

2日目以降の様子は後日掲載します。


コープおおいた 役員室 広報課 原田