ふくしま復興支援ブログ

~大分と福島、交流の記録~

ふくしま訪問 2日目…その1

2日目の23日は、強風の晴天。
北陸の冷たい風は私たちの頬をなで、
こちらは暖かい日差しに目を細めます。

1日目は震災に対する町の取り組みを学習し、
ふくしま訪問 2016/3/22〜24 - 「コープふくしま」&「コープおおいた」交流ブログ
2日目は原発事故とふくしま全体の問題を中心的に学びました。


新地町を南下し、福島原発に近づきます。
地図に並ぶ市や町の名前は、ニュースやドキュメンタリー番組で
何度も聞いたことのあるものばかりですね。

まさにこの一帯が、原発事故により放射線被害を受け
そして今も、5年前から終わらない震災を受け止め続けています。



福島原発近く、居住が許されている地域には
このような工事関係者専用の宿泊施設が道路沿いに建設されています。
原発作業員、除染作業員、復興工事関係者
宿泊施設からそれぞれの勤務地へ
作業員たちを送迎するシャトルバスが何台も行きかいます。

相馬市の松川浦大橋に到着しました。
大橋のこちらの部分は、津波に完全にのまれたそうです。

下に男性がいるので、津波の恐ろしい高さが
お分かりいただけるかと思います。


橋の一番高い部分。
この橋と同じ高さの津波が、街を襲ったのです。
津波の高さ、無情さ、恐ろしさ
そして数えきれない「いのち」を奪ったことを間近で感じました。



車は南下し、帰宅困難地域の双葉町
ここから先、町には誰も住めません。
主の消えた家々の間の交差点には
進入禁止のバリケードと警備員の姿・・・。

ものものしい出で立ちに
ここは本当に日本なのだろうかと不安に似た、何とも言えない気持ちになりました。


双葉町に入り、5分ほど走ったころ、線量計を確認すると
車内で9.93マイクロシーベルト/時間

今までの街では最高でも0.3や0.5マイクロシーベルト/時間でした。
比べ物にならないほど高い値でした。


車を降りて、道端に茂る枯草に線量計をかざすと
ピーーー、ピーーー、という警告音とともに
13.20マイクロシーベルト/時間の表示が映し出されます。

「この数値だからこうだ」という事ではなく
目には見えないものがそこにあり、
それを完全になくすことは人間には出来ない
しかし確実に、命あるものに影響を及ぼす。

これが原発事故なんだと、再認識しました。


車はさらに南下します。


除染した土を入れた黒い袋の山
この様なフレコンバック置き場が至る所にあります。

どこへ持っていくともできない。

そう訴えている気がしました。


こちらは双葉地区の仮設焼却施設

がれきや除染で発生した廃棄物を焼却し、体積を減らし、
最終的には工業用資材の状態にする。という施設です。


大きな理想を掲げて稼働しているこちらの施設の手前には
大量のフレコンバックが黒い大地を作り上げていました。

写真を撮ったこの場所。
後ろには新築の家が建っていました。
白のコンクリートが張られた駐車場は
タイヤの跡が付く間もなく、新しさだけを残し、
住民は一人も居なくなっていました。



2日目はまだまだ続きます。
前半をこのあたりで終わりたいと思います。


コープおおいた 役員室 広報課 原田

ふくしま訪問 1日目



コープふくしまのお店 CO-OP MART

2016年3月11日、北三陸を襲った東日本大震災から5年が経過しました。
5年経過というと、小学1年生は6年生になり、大学1年生は社会人になります。

津波被害と原発事故で家も故郷も消失した街の人たちは今どうしているのだろう。」
「ビルの上に乗り上げた大型船や、
流されて地面に横たわった列車はどうなっただろうか。」
「除染作業や、復興工事の進捗状況も・・・。」

きっと皆さん気にかけていることと思います。
このブログを通じて、ふくしまの近況をご報告します。


2016年3月22日から24日の3日間
毎年恒例の被災地訪問と、ふくしまの皆さんとの交流を行いました。

1日目は新地町


新地町福島県宮城県の境にあります。
新地産のひとめぼれを使った地酒「純米吟醸 鹿狼山」や
同じく新地産の大豆を使用した「しんちゃん納豆・しんちゃん味噌」など、
豊かな北陸の農産品はもちろん、
ライブや屋台村、流しそうめん、花火大会などで楽しむ
復興イベント「やるしかねぇべ祭り」にも注目です!


訪問の最初は新地小学校です。
次の日(23日)が卒業式とのことで
非常にお忙しい中、訪問を受け入れてくださいました。



渡邊校長先生が、ふくしまの震災直後から
現在に至るまでを説明してくださいました。
目を覆いたくなるような痛ましい写真に、胸の詰まる思いでしたが、
「悲しくても、泣かない。しっかり学んで帰ろう。」
そう決めた瞬間でした。

校庭では子どもたちが放課後を大満喫中!
聞くと6年生とのこと。
卒業式を明日にひかえ、小学校生活を名残惜しんでいるようでした。

校庭の隅には、3メートルにまで成長した豊後梅が。
ピンク色の花をつけて風にそよいでいました。



次に新地町役場へ伺いました。
まず佐々木教育長にお会いしました。
小学校が再開した後も何か月もの間、
窓は閉め切られ、校庭で遊ぶことがなかったそうです。
校庭で遊べるようになってしばらく経ち、
遊具が無いことに大人たちは気づいたそうです。
数は少ないが、遊具を設置すると、
ジャングルジムは子どもたちで鈴なりに・・・
このような出来事をふまえ、佐々木教育長は
「子どもたちの求める、『学ぶ・遊ぶ・くらす』環境は
大人目線ではなかなか足りない部分もあり、
整備するまではまだ時間が必要だが、
将来を担う子どもたちの事を最優先で考えていきたい。」
と話してくださいました。

そして副町長さんは、屋上の展望ブースに案内してくださり、
役場の海側の復興工事の様子を説明してくださいました。


海岸線まで続く工場地帯は異様な光景です。
一面黄土色の工事地帯は、今後、緑地公園へと姿を変えるそうです。
町の皆さんの憩いの場になるのですね。

そして寸断されていた交通機関についてもお話がありました。
震災で被災して運休している常磐線相馬(福島県相馬市)〜浜吉田(宮城県亘理町)間で
2016年の12月末に運行が再開できる見通しとのこと。
常磐線全線運転再開が近づいています。


屋上の展示ブースには、
震災前の新地町のジオラマが製作されていました。


懐かしい思い出と、震災時の状況が入り混じった
たいへん貴重な展示物でした。

新地にいらっしゃったら、ぜひ役場の屋上から海岸線を眺めてください。
そしてジオラマに、ところせましと並ぶプレートを読んでください。
震災とは、復興とは、町の皆さんの思いとは、
その全てを訴えかけてきます。


震災によって、ひとつの「町」という単位で
どのような被害と課題が生じるのかを学んだ1日目でした。

2日目以降の様子は後日掲載します。


コープおおいた 役員室 広報課 原田

ささえあおう!ふくしまinホルトホール





福島県新地町立福田小学校長 森 仁市校長先生より、
コープおおいたへお礼の手紙をいただきました。
お礼の手紙(森校長より).pdf 直


送らせていただいたキャンパスノートに
新地町の小学生の皆さんが
お勉強やお絵かき、自主学習などなど
いろいろなことを書き込み、吸収して
素敵な大人になることを、楽しみにしています。

森校長先生、お手紙ありがとうございました。


コープおおいた 役員室 広報課

ふくしま支援交流会:続編

3月24日(木)2日目 参加者63名を大型バス2台で被災地視察。
飯舘村小高区浪江町双葉町大熊町⇒富岡町⇒楢葉町国道6号線を南に上りました。

除染した土が至るところに置かれている(飯舘村


視察の様子


小高区:流された車や瓦礫が片づけられています


小高区平原になっていたところが除染の土のフレコンパック置き場になっている


チャペルにがんばろう浪江


国道6号線からわきに入れないようにバリケード


国道沿いの建物にはいれないようここにも


福島第一原発の煙突


おびただく積まれたフレコンパック・・異様な光景・・今後どうなっていくのか


富岡町に入る避難指示解除準備地域で除染がすすんでいる


この家の裏が林で、野良豚が潜んでいる


富岡町夜ノ森の有名な桜並木


たくさんの作業員が除染・整備を行っている


とみおか”除染の駅“ほっとステーション


再生可能でない家は取り壊されている


福島第2原発付近・・フレコンパック置き場と焼却処理を行う施設(白い建物)


福島第2原発と焼却施設


宍戸常務より、各地の参加者へ詳しく説明


国道6号から望む福島第2原発、事故があるまでは、どこにあるのか知らなかったという声も


楢葉町・・かつては、発電所に勤めていた方々でにぎわった

2013年に訪れた時の小高区はまだ瓦礫や潰れた車が散乱していて生々しい津波による爪痕が残っていたことを思い出します。今回の視察では、瓦礫や車などは片付けられていたことに年月を感じました。その代りに除染された土を入れたフレコンパックが色んなところに山積みにされており、その行き先も定かではない問題が浮き彫りになっている異様な様子を目の当たりにしました。またフレコンパックは5年が寿命ということで、すでに破れたり、中が発酵しているためガス抜きなども行っていることをお聞きし愕然としました。除染を行ったところは、放射線量が下がっていることも事実で、飯舘村は、今回0.4μシーベルトで前回来たときよりも下がっていました。
その後、浪江町そして双葉町を案内していただきましたが、走っているのはトラックとパトカーなどでものものしい風景に驚きました。双葉町から大熊町にまたがり立っている福島第一原発に近づくと、一行に渡された「空間線量計」が、7〜8と変化し、狭い範囲でしたが、14.5μシーベルトまで上がり、けたたましい警報がなりはじめ、見えない放射能に怖さを感じた時間でした。しかし、多くの場所がそうではないので勘違いされないように伝えるときは伝えないといけないねと隣の方などと話ました。富岡町へ向かい福島第2原発の近くに除染の土の置き場と瓦礫などを処分する建物に案内していただきました。当時のままに残っていた建物が壊されている痛ましい様子が目に映りました。この様子を私たち訪れたものが風化しないように伝えていかないといけないと思いました。楢葉町では、原発で6,000人が働いていたときの名残りで、スポーツセンターや大きな施設が印象的でした。通りを分断して居住制限が違うことや除染をたくさんの人員で行って帰宅できるようにしているのに5%の住民しか帰らないということに胸がつまるような気持ちになりました。
 解決したり前に進んでいる課題もあるが、難航している汚染土や原発の冷却の問題などまだまだ時間がかかると感じました。私たちは、実際目で見たこと、聞いたことそして時間が経過して変わったことやこれからの課題を持ち帰り、一人でも多くの方に伝える行動を起こすことが大切だと痛感しました。私たちが見てと聞いたことは一部分だと思います。一人では微力ですが、より多くの方が目でみて伝える機会を行っていくべきだと思いました。
 このような機会を作ってくださった。コープふくしまの皆様、本当にありがとうございました。

ふくしま支援交流会「これまで・現状・これから」に参加しました

2月23日(水)〜24日(木)にかけ、コープふくしまさんの主催で「ふくしま支援交流会」が開催されコープおおいたより3名参加しました。

[開催目的](抜粋)
原発事故から5年を迎えるにあたり、コープふくしまではこれまでの取り組みを振り返り、現時点の問題を見つめ、これからの取り組みを考える場として、表題の“ふくしま支援交流会「これまで・現状・これから」”という報告討論交流会を開催することにいたしました。
全国のみなさまが福島に寄せた思いや取り組み内容、福島について知りたいこと等をお聞かせいただくことで、今後の活動の糧にしたいと考えているところです。

3月23日(水)ふくしま支援交流会
全国の生協と関係者総勢140名が参加し、コープおおいたは職員3名が参加しました。
基調報告では、「原発事故による放射能汚染に向き合って」という演題で、宍戸常務より5年間の外部被ばくの調査や食事調査などの報告がありました。大変な取り組みを続けてこられたことに頭が下がります。このことで、見えない放射能について知ることができ、冷静に前向きに福島をとり戻すという報告もあり、着実に歩みつづけているのだと実感しました。

生活協同組合コープふくしま 常務理事 宍戸義広氏
「福島で放射能汚染に向き合う」〜専門家から見た日本のコープの取り組み〜という演題で、国際放射線防護委員会、放射線影響研究所 丹羽太貫氏より報告がありました。生活を守るコープならではの取り組みや県内や県外そして世界への情報共有の取り組みについての評価や放射能学者の難しい目線では、伝わらないことやどうすれば、福島県民が放射能から主役を取り戻せるか、という話は心に残りました。

放射線影響研究所 丹羽太貫氏
全体会の各生協の取り組み報告では「ふくしまの子どもと親子交流」というテーマで、コープおおいたが5年間取り組んできた子どもたちや親子のための企画について報告しました。また各生協の様々な取り組みを知ることができました。自分たちの取り組みのヒントとなることもありました。

生活協同組合コープおおいた報告
分散会では、私が報告したテーマと同じ「ふくしまの子どもたちと各地の親子の交流」でグループワークを行いました。
 私たちのグループでは、“心”を大事にすること、未来を担うこどもたちが、元気になってもらうための企画を大事にすること続けること、全国の次世代の若者が、ふくしまにいって現実を見ること、伝え合うことそしてふくしまとつながることで、今後将来をどうすべきなのかを一緒に考え行動できることにつながるのではないかというまとめになりました。
 他のグループでは、まずは放射能のことや現状を知ることが重要であるというまとめもあり、まさにそのとおりだと思いました。同じ志をもつ生活協同組合だから、このような交流会などでつながっていけると感じました。今後も解決できることやなかなか解決できないこと、新たなハードルもあると思いますが、協働の力で乗りこえること、できることもあると信じています。だからこそ私たちは、いつもふくしまに寄り添い支え合うことを続けていきたいと思います。

復興支援活動にお役立てください

12月29日の夕方に大分県竹田市久住町にある株式会社くじゅう高原ガンジー牧場の
溝辺氏がコープおおいた本部に来訪されました。
熊本県との県境にある久住町から遥々コープおおいた本部事務所までお越しいただき「東日本大震災の復興支援活動に役立ててほしい」と募金をお預かりしました。

心温まるお気持ちに感謝感激です。

左:くじゅう高原ガンジー牧場の溝辺氏  右:青木理事長

しっかり活用させていただきます。ありがとうございました。

くじゅう高原ガンジー牧場様HP
http://www.guernsey-farm.net/

今年も多くの組合員のみなさまにご参加いただきました!

機関紙『虹のたより10月号』を通じて組合員のみなさまに今年も福島県
仮設住宅のみなさんにお送りする半纏を募集しました。
今年もたくさんの半纏をお寄せいただきありがとうございました。
整理をして、本日(12/20)宅急便を使ってコープふくしまさんへ発送しました。
年内中には仮設住宅のみなさんに行き届くことでしょう。